生活不活発病ということばを聞いたのは、東日本大震災後の被災地に、ある医師が訪れ、高齢者に、こういう病気があるのだと指導するドキュメンタリー番組を見た時です。
元気をなくした被災者の人が、知らず知らずのうちに、家にこもりがちになり、肉体的にも弱っていく。ですので、本人が、それを、まず自覚することから、意識を変え、元の元気を取り戻させていくという取り組みを被災地で行っているという番組でした。
その医師は大川弥生医師で『「動かない」と人は病む――生活不活発病とは何か』という本の著者でもあります。
確かに健康であっても、状況の変化から、外出しない、動かない、引きこもりがちになってしまうというのは、どんな人にも起こりうることだと思います。
しかし、まさかそんなことだけで、本当に病というレベルにまでなってしまうのか、その事について警戒心のかけらもありませんでした。
私は、そもそも家にいるのが好きで、家に一人でこもっていても苦痛ではありません。
ある生徒さんは、こう言いました。
「とにかく、休みの日も、外に出て何かしていないと落ち着かない。もったいない。」
そうなんだ・・家にいたほうがゆっくり休めそうなものなのに、元気なんだなあ・・・と思っていました。
でも、この「生活不活発病」を聞いて、もしかしたら、私は、ある種の軽い「生活不活発病」なのかもしれないと、はっとしました。
なぜなら、20代のころは、毎日、仕事もして、ちょっと空き時間があれば、人と会い、一日中忙しくしていて、元気でした。
それは、まあ若かったということもあるでしょうが、一度、家に引きこもってしまうと、なかなか、外で活動的になるエネルギーがわいてこない気がします。
しかたなく、休日に、無理をして、外出してみれば、それなりにいろいろなことができて、かといって、疲れるほどの事でもなく、意外と有意義だったりするのです。
出不精というのは、「生活不活発病」に近いのかもしれないですね。
年をとると、一年はとても速いです。
なのに、外出をあまりしなければ、もっと早く感じる原因になってるのかもしれないですね。そして、ただ、ただ、日にちが過ぎていく・・・(それは私の日常そのもの)
「生活不活発病」を治すには、「活発化」すればいいらしいです。
ちょっとした運動レベルではなく、一日中において「活発化」が必要だそうです。
活発化の連鎖は、どんどん広がり、生き生きとした生活に変えてくれる。
私も、試しに、出るようにしてみると、確かに、次の外出がおっくうではないような気がしました。ただ、困ったことに、インドア派の私は、それが、続かない・・・行きたいところがそれほどない。
これがどうも原因になるようですね。行きたいところ、本当にない。いえいえ、これから考えます。