性格は遺伝子と環境の相互作用による
昨日はたまたまNHKの白熱教室をみました。タイトルが「心と脳の白熱教室」だったので、これは見なくては!と。
オックスフォード大学のエレーヌ・フォックス教授(オックスフォード大学感情神経科学センターの所長を務めているそうです)による民間向けの講義です。
ふっくらとした大人の女性でした。その話は熱心で質問者にも親切で、とてもわかりやすかったです。
楽観主義と悲観主義についてテーマを絞っていました。
なぜ同じ両親、環境でも兄弟の性格はこうも違うのかという話から、まずは脳のしくみの説明です。
脳には、側坐核に作用するSunny brain(楽観脳)と偏桃体に作用するRainy brain(悲観脳)があるということです。
どちらに強く作用するのかに個人差がありこれが遺伝子によるものだそうです。
脳の感情を運ぶものとして、セロトニン運搬遺伝子といういうのがあり、(もちろんほか15~20種類もみつかっているらしいですが)今回はセロトニン運搬遺伝子を取り上げて遺伝との関係を説明していました。
ざっくりいうと、そのセロトニン運搬遺伝子の17染色体が長いタイプと短いタイプがあるらしいです。
短いタイプ=ネガティブな情報に反応しやすい
子供は親から、ひとつづつ遺伝子をうけつぐので、(長)(長)のタイプと、(長)(短)のタイプと、(短)(短)のタイプにわかれるそうです。なんだか血液型の遺伝子の授業を思い出しますね。
自分がどんなタイプなのか調べるテストもあるらしいです。「注意バイアスのテスト」というものです。
画面に良い印象と悪い印象の二つの絵が出た後に、すぐに星印がでて、どちらの側にその印がでているか、反射的にボタンをおすものらしいです。
良い印象の絵がでたあとのほうに、印が出たときのほうが、反射が早ければその人は長いタイプの遺伝子を持っていて、ポジティブに考える傾向のある人だと判断されます。
そして、ある研究があったらしいです。
この(長)(短)の遺伝子と環境と性格について、23年間の追跡調査がここなわれたそうです。一定の人数の3歳から26歳まで、毎年細かな調査を行ったそうです。
そこで出た結論は、遺伝子だけでは、うつ病発生リスクとの関連性はないということでした。
ただし、こういう結果も出たそうです。
(短)(短)の遺伝子のタイプの人は、かなり深刻な経験を3つ以上したとき、うつ病の発生リスクが平均より多かった。
それに対して(長)(長)の遺伝子のタイプの人は、かなり深刻な経験を3つ以上しても、うつ病発生リスクは平均と変わらなかったらしい。
つまり、性格は遺伝子と環境の相互作用によるものだとわかったそうです。
その(短)のタイプの遺伝子、「リスク遺伝子」は本当にリスクなのかということについて、続きの話があります。