蠅張(はいちょう・はえちょう)を知っていますか?
昭和前期の世代ならこれをイメージすると思います。(下の写真)
私は昭和後半の世代なので、もっとカジュアルなこちらです。
フードカバーといったほうがピンとくるかもしれないですが、平成生まれの人は、さすがに見たこともないかもしれないです。
食品を覆うカバーのようなものです。棚の戸は網なので空気が通ります。虫の侵入を防ぐという保管の道具ですね。
蠅張が置いてあると、誰かが食事を用意してくれていて、それをいただくというような、物語を感じますよね。とても風流な感じがします。
ぼた餅なんかが、おやつで置いてあったりして。
私の世代になるとそれが網に代わります。庶民的でダサいでしょうか。めっきり見かけなくなった今となっては、なんだか温かみが感じられます。
最近は、すっかりその存在さえも忘れていました。
食事を用意しても、すぐにラップをして冷蔵庫へ保管、食べるときは「チン」する(電子レンジ)。それが日常です。忙しいすれ違いをイメージするドラマのワンシーンそのものです。(笑)
ところが、つい最近、百円ショップで、この網をみつけ、昭和の思い出が一気によみがえりました。
「懐かしい!」
おもわず買いました。百円ショップのものは、とても小ぶりで、ちいさなお盆をやっと覆えるくらいのものです。
使ってみるとこれがとても便利なのです。
用意した飲み物や果物をお盆の上に置いておくとき、ラップをかけるほどでもない、でもなんとなく、さらしておく感じが、気になる、そんなとき、ふわっとこれで覆っておけば、精神的に安心なんです。
ひとつひとつ、ラップをかけてしまうと、いちいち時間がかかるので、すぐに食べるのであれば、これで十分。ゴミも出ないし、エコだと思うのです。
たとえ乾燥を防ぐ意味でラップをかけているものでも、常温で、お盆の上にならべて置いて、この網を載せておけば、
「ここに食べるものが用意していますよ。」
という、なんだかメッセージ感がでるではないですか。
なんともいい雰囲気です。
誰もいない部屋に帰ってきて、食卓の上にふわっと白いカバーをみつけると、ほっとしませんか。試しに、自分で自分のために演出してみても、ほっとします。(笑)
すぐに飲むミックスジュースにも、ラップではなく、この網で、、、