病気というほど緊急なものではないから、どうして軽く見てしまい、便秘薬などでしのいでいたりするものです。
しかし、しっかり改善すると、さまざまな不調が改善されるようです。
順天堂大学医学部の小林弘幸教授がメディアにでて推奨している腸の改善法をまとめてみました。(2015.9.4「腸活!40年の便秘が3週間でスッキリ」中居正広の金曜日のママたちへ」参照)
腸のトレーニングで便秘改善(腸を活発にする。腸の環境をよくする。)
①腸を外側から刺激するエクササイズを行う・・・右の腰骨の脇と左の肋骨の下を大きく手でつかみぎゅっぎゅともむ。さらに腰を大きく回す。こうすることで、便が滞りやすい2か所(ちょうどつかんだところ)での動きを促し、排便につながります。
毎日、数回2か所をつかんでぎゅっぎゅとしながら、腰回しエクササイズをするのがいいようです。
体側を伸ばす運動も腸のエクササイズにいいようです。
ヨガで便秘が治ったとよく聞くのですが、ツイストでねじったり体側も伸ばすポーズも多いので、それも腸を刺激する助けになっているかもしれませんね。
②便座に座っているときも外から刺激する・・・座ったまま身体をねじり右手で左足首にタッチする。反対も同様に。座ったまま身体を前後に動かす。これも腸の動きを助けます。
③朝コップ一杯の水を一気に飲む。・・・胃の中に入った水の重みが腸を上から刺激して朝の腸の扇動を促します。
④発酵食品と水溶性食物繊維をとる。できれば夜がいい。・・・腸の善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌)を増やすために、ヨーグルト(200g)と大根おろし(大さじ2)とはちみつ(大さじ2)を混ぜたものを食べるといいようです。
大根おろしやはちみつはオリゴ糖を含むので、乳酸菌(ヨーグルト)の餌になり、一緒に食べると善玉菌を増やす助けになるようです。
混ぜて食べるのを勧めていますが、慣れるまであまりおいしくないようです。分けて同時に食べても大丈夫と言っていました。
ちなみにうちでは、バナナにヨーグルトとオリゴ糖をかけて夜の食後に食べています。おいしくて、便秘にも調子がいいです。
腸の活動は夜がゴールデンタイムだそうですので乳酸菌は夜にとったほうがいいです。
腸には実は善玉菌、悪玉菌のほかに、日和見菌(ひよりみきん)という中立の菌がいるらしく、優勢の味方になって働くようです。
悪玉菌のほうがちょっとでも多くなると日和見菌が悪玉菌に味方して一気に悪いほうに傾いてしまうらしいです。
悪玉菌優位だと発がん性物質を作ってしまうこともあるので、善玉菌を増やし、日和見菌を善玉菌の方に味方につけ、腸の環境を良くすることが大事なようです。
⑤オリーブオイルを大さじ2杯のむ。・・・便が硬くなりやすい人にとっては排便がとても苦痛のようです。オリーブオイルは数時間で腸まで届き、つるっと排泄を助けてくれるようです。排便に痛みのある人は試してみるといいかと思います。
これらを続けると、便秘薬にたよらなくても、出るようになるといいます。
なぜ便秘になるのでしょう
大腸の入り口はお腹の右下にあります。そこから上にあがり、お腹の左がわに曲がり左の肋骨の下あたりで直腸へ向かって下がっていきます。
その直腸に便がたまって、そのときに便意が脳に伝わり、脳が直腸やお尻の筋肉に指示して排泄されるというしくみです。
ところが、便意をがまんしてしまうと、すでに便がたまっている直腸がもっと太くなってしまい、今度はその太さになるまで、便意が脳に伝わらなくなるので、排便のチャンスを逃し、とどんどん便秘になっていくようです。
これを直腸性便秘といいます。
レントゲンで下行結腸に便がたまっている人はこのケースがあてはまるようです。
直腸にたまって硬くなってしまった便は、場合によってはハンマーでも割れないくらいになる場合もあり、手術することもあるそうです。
便意を我慢するとこわいですね。
また、大腸は加齢によって衰えます。そうなると大腸の広い範囲で動きが悪く、腸の全体がゆるんでしまい、便秘を引き起こすようです。40代以上の女性に多く見られるということです。
これを弛緩性便秘といいます。
この場合も同様に乳酸菌を増やしたりエクササイズで腸も再び動きが戻ってくるようです。
便秘になると、腸がつまるので、十分な栄養を身体に送れなくなり身体も不調になるといいます。
お腹の張り、吹き出物、目の下のクマ、肌荒れ、肩こり、冷え性、花粉症、睡眠障害なども便秘からくるものもあるようです。ひどいと大腸がん乳がんのリスクもあるようです。
腸の環境を良くしてあげることにより、きれいな血液が全身に流れ、細胞ひとつひとつに入っていくので、栄養が余ることなく、しっかりたべても太りにくい体質に変わるようです。
実は血液は骨髄でなく腸で作られているという考えもあり(千島学説)その腸の働きを良くすることで、体中に細胞に浸透しやすいサラサラな血液を送ることにつながるということです。
腸がつまっていては、血液はドロドロで細胞にうまく入らず、余った栄養は脂肪となってしまうので、太っていくようです。
(これはワシントン大学でのマウス実験で、腸の環境のいいマウスと悪いマウスに同じ量の食事を与えたところ、腸の環境の悪いマウスのほうが太ったという実験データがあるようです。)
腸の環境がよくなり便秘が改善すると
血液がサラサラになり、栄養は細胞にいきわたり、栄養があまらないので、太りにくくなります。細胞が元気になり肌もきれいになります。
血液が流れやすくなるので代謝が良くなり、さらさらな汗をかけるようになり、冷え性もむくみも改善、肩こりなども解消します。
便秘が解消されると睡眠ホルモンのメラトニンが増えるのでよく眠れるようになるようです。
腸活で身体の不調を改善しましょう
腸の環境が良くなると人生もよくなると、小林教授が言っていましたが、本当に腸がすっきりすると、身体も楽になり、気持ちも前向きになります。
腸活の努力は裏切らないとも言っていたので、あきらめず少なくとも1週間続けてみるといいかと思います。
いまのところ、私は、ヨーグルトではなくぬか漬けの乳酸菌で腸活しています。
ぬか漬けも食べてすぐ効くわけではなく、しばらく食べる習慣にしていると、善玉菌が増えて、便秘が解消します。
便秘薬ほど速攻ではないですが、腸内環境の改善で、そこからはずっとうまくいくところが素晴らしいと実感しています。