資格専門学校で法律関係の資格を教えていました。
司法試験予備試験などは難解な試験ですが、一般的な法律系の資格であればこうすれば受かるという方法をひとつ書いてみたいと思います。この方法で、宅建や行政書士、社労士なら社会人になっても短期間で受かるでしょう。
基本書だけをだらだら読むというのは時間の無駄です。
やるべきことは、まずその資格の分野別の過去問題集を買ってきて、それを読みます。
解くのではなく、設問とその解説を読むのです。
その問題と解説について詳しく知るために、その部分を基本書で辞書のように調べて読みます。できれば、その際問われているポイントにマーカーを引き、出題年度も小さく基本書につけておきます。(傾向を後で分析しやすくなります。)もしも、その資格の講義を受けているのであれば、講義を受ける→その問題をとく→基本書にチェック
それを繰り返していくことで、その資格で必要とされる知識のアウトラインが何となくわかってきます。
ここまでやりながらぼんやりでも大丈夫。理解できていなくてもいいのです。
こつこつと一通り終えるまでがんばります。それをやりおえてから、基本書を通して読むのです。ここからが本当のスタートだと思ってください。なので、それまでは作業だと思って無心に一気に進めることです。
どんな資格試験の勉強であっても、講義を聞いただけでは知識にはなっていません。問題を解くまでは、どんなにまじめな人についても、まだ役に立っていない時間です、といっても過言ではないです。 テニスの素振りにもなっていないのです。テニスのルールを聞いてるくらいの状態なのです。とても戦える知恵など身についていないです。
なので、早い段階で問題をよむのです。もちろんちんぷんかんぷん。それでも問題が何を聞くのかを知ることから始めるほうが、知識がぐいぐいとはいってきます。
分野別問題集を基本書を引きながらチェックし終えたら、そのマーカーのついた基本書を通読して、頭の中に知識を構築していきます。
そして、また分野別問題集をもう一度解きます。2回目の演習になりますが、ここからはじめてエネルギーを注いでいくのです。記憶の作業を行うのです。
2回目が終わったらまた基本書をざっと通読、覚えるべき数字や言葉をしっかり確認。
そして、もう一度、分野別問題集3回目を取り組むもよし、簡単な試験であればここで年度別問題集に取り掛かります。
自己採点をして、弱点をみいだし、基本書にもどる。
この基本書は1回目の問題解説と作業した時と同じものであることが必要です。過去問の傾向がマーカーで残っていて、なおかつ何度も同じページをみているので記憶しやすくなっているからです。
手を広げないことが大事。
はじめに薄っぺらな基本書を用意してしまうと後半の勉強で足りなくなり、一からやり直す気分になってしまいます。ですので初めの段階で辞書のように詳しいものを選ぶほうがいいのです。
薄っぺらな基本書は、覚えやすいようで、何の説明もないので記憶が難しいです。
記憶の前提は理解です。詳しく深い説明によりしっかり理解できた知識は、長期定着します。ですので分厚い基本書を選ぶのが必要です。
ただ、昔の法律の勉強のように(有斐閣の基本書のように)ひたすらだらだら書いているものは受験には不向きです。あれは学者用なのです。有斐閣は、暇な人以外買ってはいけません。
体系的に整理されていてなおかつ詳しい基本書を選ぶことが大切です。分厚い基本書に足りなければ書き足します。詳しい基本書であれば、書き足すことも少なくマーカーで足りるので楽です。
大手の資格取得向けの書籍を比べるといいかと思います。
ノートは必要ないです。覚えるためのツールとして模造紙学習はおすすめしますが、それも時間なければ必要ないです。マーカーと書き込みで手垢のついた基本書だけを問題解きながら何度も読むこれだけで大丈夫。
ぜひ、なにか資格を取るときにはこのようにしてみてください。
問題をとく大事なコツについて
問題を解くとき、設問の趣旨を理解するには、図やイラストを描くのが一番です。
算数の問題を解くのと同じ。法律系の資格の説明は、すべてイラストに描いてしまうと瞬時に理解できます。
どちらにどのような権利があるのか、どの立場で主張しているのか、期限、条件はどちらにどれだけなのか、これらはすべてイラストに書き込んでいけば設問が解けます。