出産してから、くしゃみなどのときに軽い尿もれを経験することは、よくあることです。若いときであれば、改善も早く、いつの間にか忘れて治っていることもあるでしょう。
しかし50代を迎えて同じようなことがあれば、骨盤底筋群を鍛えたほうがいいでしょう。
骨盤底筋群の衰えは加齢と女性ホルモンに関係します。
加齢により筋力が衰えるのは足や腰だけでなく、股の間の、この筋肉も同じです。
さらに閉経前後女性ホルモンが少なくなってくることで尿道付近の筋肉や粘膜の張りが悪くなり骨盤底筋が緩んできます。
骨盤底筋は膀胱、尿道、直腸、子宮などをハンモックの様に支えている筋肉です。
これが衰えると、臓器が膣からはみ出てしまうことがあるのです。
それを骨盤臓器脱(こつばんぞうきだつ)といいます。
膣からなにかピンポン玉のようなものが触れることに気づき、人にも言えずに悩む人もいるようです。
骨盤臓器脱は、頻尿、便秘、失禁の原因にもなります。
そればかりか他の筋肉(腹筋や背中太ももの筋肉につながるため)にも影響し、骨盤がゆがみ、バランスが悪くなり、全身の運動機能に影響を与えてしまうことがあります。
骨盤底筋を鍛える体操で予防改善できます。ひどい場合は手術になるようです。
骨盤底筋を鍛えることで、生理不順が改善されたり、下腹がへこみ、骨盤のゆがみが改善され、身体の軸が整い、美しいプロポーションの維持にもつながります。
たかが股の間の筋肉ですが、鍛えることで全身が安定してきます。
自宅でできる簡単な体操
仰向けで膝を立てて少し足元を開く。
リラックスして一息吐く、息を吸いながら、肛門や膣を締める。そのまま呼吸しながら10秒程度キープ。吐きながら緩める。これを何度か繰り返す。
トイレで尿を途中で止めるようにするのもいいです。そのとき骨盤底筋に力が入り筋トレになります。軽い尿もれならこれで改善するので、症状の軽いうちに行ってみましょう。