ストレスは悪くない ストレスからの「チャレンジ反応」は大きな成功のカギ 健康心理学者ケリー・マクゴニガル  

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「ストレスはあった方が良い」と、思い込み、受け入れることが大切のようです。
思い込む力は侮れない、ストレスがあっても害にならず、むしろ成功するエネルギーに変えることができる。ポジティブな思考だけで寿命ものびる、そしてダメージはどう克服するか、心の作用について、今回はちょっと長いですが、まとめます。ぜひ我慢して最後まで読んでいただけると嬉しいです。
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世界一受けたい授業に、ケリー・マクゴニガルが登場しました。TEDにも出ている心理学者です。ヨガと癒しについての講義もDVDで出されていて見たことがあるので知っていました。ヨガのインストラクトも美しくこなす才色兼備な人気の心理学者です。

ストレスについて研究されていて、今回番組では、ストレスを悪いものだと思わないで、そのストレスから良い結果を生み出すことができると信じることの大切さを説いていました。

「ストレスはあった方が良いと思い込み、(ストレスを)受け入れる」こういう考え方を心理学ではマインドセットというらしいです。

ストレスは悪くないんだと思い込む、それがもたらす結果は、害どころか、逆にとてもいい結果を生じるらしいです。思い込むだけで結果が変わる。その思い込む力は侮れないといいます。

たとえば死亡率一つとってみても、ストレスは健康に悪いものだと思っている人は、思っていない人に比べて死亡率が高いらしいです。ストレスを害だと信じたとたんに、それが心不全などを引き起こすのだそうです。

つまりストレスは無害で、ストレスを悪と思ってしまうことが害になるストレス無害説

はっと、してしまいますよね。ほかの心理学の先生がこういっていたのを思い出しました。「辛いな」ということが、がんなどの病気を引き起こしてしうもの。嫌なことや、きつい仕事でも、「辛い」という思いがなければ大丈夫と。辛いという状況からは逃げたほうがいいと。

人間って本当に気持ちの生き物なんですね。「病は気から」ということわざもあるように、(何年も消えないことわざには真実があることがあるといいますが)実際、調査してみても、そう言えるようになってきているようです。

番組では面白い例を挙げていました。

ホテルの客室係の人たちは、1時間に300キロカロリーも消費するほどの重労働なのに太った人が多くて、アンケートをとったそうです。その結果、仕事以外には運動はしていないようです。

つぎにその客室係の従業員に、この仕事だけでもこんなにカロリーを使っているから痩せますよと、教えると、なんとそれだけで4週間後には体重も体脂肪もぐんと減ったらしいです。(ハーバード大学の実験)

同じ生活でも、これは痩せるんだと思い込むだけで、痩せるなんて、しらなきゃそんですよね。

なんだかプラシーボ効果(偽薬)のような話です。映画 コントロール (2004)を思い出してしまいます。ハーバード大学での実験は、痩せるほどの仕事をしているはずなのに、認識がないだけで、痩せなかった。認識させる、痩せるんだと思い込ませることで、痩せた。思い込みが結果を生んだ、というもので、偽薬とは若干違うのですが心の不思議が面白いです。

寿命についても番組で取り上げていました。

年を取ることは知識や経験が豊富になるからすばらしいと前向きに考える人(ポジティブな人)と、老いることで自分は役に立たないと否定的後ろ向きに考えてしまう人(ネガティブな人)を比べると、ポジティブな人のほうがぐんと長生きしているそうです。

心理が行動に与える影響として、ネガティブな人はいつもあきらめがちで健康を維持する努力や運動をしないが、ポジティブな人はやればできると健康に気を使い、運動の習慣をかかさない、その結果、長生きにつながるようです。

身体の中では、ストレスを受けてもそれが悪とはとらえなかったり、なにがあっても、ポジティブに考えることで、同じ状況においても、心臓の血管が収縮しないようです。身体の負担にならない。ストレスや緊張でドキドキする場面さえ、「血液がどんどん送られているわ」と肯定的に考えることのすごさです。それで病気にもならない。本当にポジティブです。

またストレスを解消するのは女性のほうがうまいらしいです。嫌なことがあっても「しゃべる」ことで心臓をストレスのダメージから守るそうです。その結果、免疫機能も高めるようです。嫌な感情はさっさと吐き出してリセットですね。

ストレスが全くないと、かえって「うつ病」を引き起こしたりするようです。

たとえば退職して家にいるとリラックスして、副交感神経が上がるんですが、この状態が長いと、血管が開いたままになり、かえって血流が悪くなるのだそうです。運動もしないと、自律神経の総合力がますます落ちて、より血流が悪くなるのが原因だそうです。

なにもしない生活は身体にも良くないようです。

緊張してドキドキするストレスはうまく使うことでプラスにもなる「チャレンジ反応」

例えば試験の時の、ドキドキ。ストレスで興奮してアドレナリンが多く分泌し、リラックスして試験を受けた人に比べて、成績が良いという結果が出ているようです。

アドレナリンは五感を研ぎ澄ませ意識を集中させるのだそうです。

プレッシャーやストレス、そのドキドキする状況は、自分にはチャンスと思ってもよさそうですね。

ドキドキの状態で、自分はどれだけ努力したか、どれだけ経験を積んだかなどを思い出し、どうすべきかということに全力で集中、こういうことがチャレンジ反応というものを生むようです。

チャレンジする人には、血管の収縮はなく、心臓の鼓動は早くなり、アドレナリンは分泌して、高揚感が高まり、自信を持てて、いい結果を生むようです

ストレスが多い生活であっても、恐れることなかれ、ピンチもチャンスに!とてもためになりました。

「ストレスやダメージから最も早く立ち直るには、何をするべきか」

最後に興味深かったのは、ストレスやダメージを受けたときの解消するのに最も効果のあるものはなんでしょうというものです。

なんだと思いますか?

それは「ボランティアをすること」なのだそうです。

自分が立ち直るための、もっとも早い方法がボランティアだときいて、ボランティアの経験のある人なら、わかる、と感じた人は多いと思います

「自分が辛いときこそ、人のために何かをする」この一見逆とも思える方法が、効果的というのは不思議ですね。

この例として2013年4月のボストンマラソンを上げていました。あのときのテロで、その場にいたランナーや地元の人たちは自主的にすぐにボランティア活動を行って一緒に救助し続けたそうです。

相当なストレスの中、救助活動や献血、懸命に助けの手を差し伸べました。そうした人々、つまりボランティア活動をした人のほうが、PTSD(心的外傷後ストレス障害)から早く回復したそうです。

ボランティアをしているとき、脳の中では、オキトシンという恐怖を鈍らせ勇気をわかすものが分泌するので、自分自身もはやく立ち直ることができたのだそうです。

また、実験でストレス状態のある人が、ボランティアをしてその後どうなったかをしらべると、ボランティア経験のない人の死亡率はある人より30%も高かったらしいです。

現代人が知りたい健康心理学者ケリー・マクゴニガル
今を生きる知恵が詰まっている書籍が流行っています。私のつたないまとめでは伝わり切れません。参考まで紹介しておきます。

こちらのスタンフォードのストレスを力に変える教科書はアマゾンの心理学入門のカテゴリーで1位になっていました。





TEDの日本語字幕つきのサイトがあったので載せておきます。「ストレスを友達にする方法」(字幕がでないときは、画面をタップして右下のCCにスラッシュが入っているかもしれないです。そのCCの上をタップするだけで字幕がでます。


有名なのがこちらのスタンフォードの自分を変える教室 (だいわ文庫)です。

スタンフォードの自分を変える教室 ケリー・マクゴニガル

 

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