NHKの白熱教室です。作家カズオ・イシグロが来日したので、小説について学生たちと議論を交わしていました。
聞いている人たちは、半分が日本人の若い学生、半分が外国の人。イシグロ氏は、英語で話します。同時通訳をイヤホンで聞く学生もいれば、流暢な英語で質問をする日本の学生もいました。
中でも、途中、とても知的でクールな女の子が、あまりに流暢な英語で、小説の内容に切り込む質問をしていたときは、なんだか素敵で、こちらは何を言っているのか頭に入ってきませんでした。日本人も捨てたもんじゃないです。誇らしいですね。
さて、イシグロ氏です。あまり日本ではメディアには取り上げられないですね。
というのも、活動拠点はイギリスだからです。ノーベル賞にも近いのではないかと、世界的に評価の高い英文学の作家です。
村上春樹は日本ではすでによく知られていますが、カズオ・イシグロは、日本よりは、ヨーロッパ、アメリカでよく知られているといったほうがいいのかもしれないです。(もちろん村上春樹も世界的に有名です。)
日系イギリス人です。5歳でイギリスに家族で渡ってから、ずっとイギリスに住んでいます。両親は日本人、会話も日本語ですがその日本語は5歳程度だといっておられました。
処女作は、「遠い山なみの光 (ハヤカワepi文庫) 」
薄らいでいく日本の記憶を小説のなかに保存したかったといいます。これが小説を書く目的だったそうです。
(原題 A Pale View of Hills (English Edition))
そして第二作の「浮世の画家 (ハヤカワepi文庫) 」
(原題 An Artist of the Floating World (Faber Fiction Classics)で、
ウィットブレッド賞を受賞しました。(1987年1月)
これで世界中にその名を広めたと言われています。
そして、傑作「 わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)」(原題 Never Let Me Go (English Edition)
は、臓器移植のためだけに育てられているクローンの話で、映画化もされました。
映画「わたしを離さないで」
そのカズオ・イシグロの考える、小説とは何か、が展開されていきました。

カズオ・イシグロその2はこちら